パティシエ・ヒロのHISTORY

修業時代(2)

月日は流れ初給料! なんと5万円も貰ったではないですか、 今までそんな金額触ったことが無かったので大感激。
唯一給 料を貰ったといえば小学6年から4年間続けた 新聞配達(朝刊)でした。
1日150件配って 1万4000円程だったと記憶しております。
ですから5万円というのは驚きでした。
当時から「絶対独立する」という信念だけはありましたので その給料から3万円は天引き貯金でコツコツ貯めていた わけです。(後にこの貯金が役立つときが・・・・)
残金2万の生活が面白い物語を生み出したのでした。

それは・・・・・。
靴下を両面履く事を覚えてしまった。
食事(弁当の殺菌方法の開発)
合理的な靴の洗い方。
銭湯より無料招待・・・と言うか・・・・。

流石に月半ばになると金策も底を着き始めポケットの 小銭を集める日々が続くのですが、そうなると コインランドリーで洗濯することが勿体無くなり、 勿体無いというか洗えない様になり自然と 節約モードにスイッチON!
靴下を両面履けば 「洗濯回数が半分になるぞ」と当時は大発見のように 思いましたが、よく考えてみると意味が無いことに気が付きました。
そこで再び考え、合理的な靴の洗い方を思い付いたのでした。

それは・・・・・・

毎日床を流すのでその時靴の中に粉末洗剤とお湯 を入れデッキブラシで床をこすると同時に靴も擦り、厨房 を歩く・・・・・。
すると靴の中も外も靴下も足も 洗えるではないですか。
前世紀最大の発見!
ただ、これを毎日やると靴下の消耗が 激し、直ぐ穴が開いてしまい、いいのやら悪いのやら。

書いてるうちにお腹が空きましたね。
次は弁当殺菌方法?について書きましょう。
毎日の食事といえば給食屋さんからくる弁当!
安くて栄養バランスに優れているやつ(笑)ですね。
お昼弁当は毎日午前10時に到着。食すのは夕方の4時 下っ端は何時も最後でしたねー。
夕飯の弁当到着は4時。
不思議でした、昼食中に夕飯が来るなんて・・・・。
ですから時々夕飯の中身をチラッと見て昼ごはんと夕飯を チェンジさせて、到着したての弁当を食べた事もしばしば。
そこで問題発生!ある真夏の出来事。
夕飯を食べるのは仕事が終わってからなので、深夜の12時か1時 頃と決まっていました。
あるとき昼ごはんを夜に廻して、さぁ 仕事も終わってルンルン夕食タイムだ!と弁当箱をあると 「・・・・・・」なんの匂い?

米を箸でつまむと蜘蛛の糸みたいに・・・。
「これって納豆菌入り?」まさか・・・・
そのまさかが的中。
最悪と言うよりなにより 「あかんお金が無いから他のもん食べられへんわ」
食べ盛りでお腹は空くわ、金は無いわで これを何とか食べないといけないと思う気持ちが 強くなり、弁当に熱湯をかけて数分・・・
お米もおかずも関係なし。
名づけて「オールミックス・熱殺弁当」の出来上がり。
味は別問題。考えない。思い出したくない。
決して頻繁にした訳ではないですが、偶に・・・。
慣れると恐ろしい。
先輩から激励の言葉も頂きました。

「お前はすごい」

ありがたいですね。

「地球が滅亡してもゴキブリとお前は生きとるの」

ありがとうございます。と一応いっておいた。
(おれはゴキブリか?チクショー)
そう何度も心で思い口に出しながら暗い夜道をトボトボと 銭湯に向かったのでした。

銭湯に到着すると看板の電気は消え、暖簾は中へ・・・
いかにも走って来たかのように息を切らして芝居をしながら、

「すんません、まだいいですか?」

番台にはだれも居ず。
中を覗くとおじさんが風呂掃除。

「すんません、今仕事終わったんで風呂入らしてもろうてかめへんやろか?」

おっちゃん:「あ゛ーもう終わって掃除してんねん」

「ほな掃除手伝うから入らしてや」

おっちゃん:「しゃーないな、入っていきなはれ」

「おおきに!後で手伝うわ」

これも縁と言うものなんでしょうか
いや単にあつかましいだけでしょう。
それはさておいて、湯船に浸かり、くつろぎながらおっちゃんと 世間話に花が咲き会話が弾む。
フルオープンで掃除を手伝い その後「ホレ、飲んで行け」とコカコーラ。
あの味は今でも鮮明に記憶しています。うまかった。
それからというものおっちゃんと仲良くなり、風呂は片付け のタイミングを見計らってお伺い。
掃除は洗面器と椅子を干して、湯船にシートをかけるだけ 報酬が風呂代がタダ。
たまにはちゃんとお金払って入った事もありますよ。
月の前半は・・・・・。

次回は更なる修行とコンクール。