パティシエ・ヒロのHISTORY

修業時代(3)

あれから数年仕事もだんだんと覚えパンからケーキの部門に移動 あの弁当で随分成長いたしました。
そのお陰か急性盲腸炎になってしまいました。(意味不明)
ある朝突然お腹に激痛が走り汗がタラタラと額から頬を伝って 首筋・・・胸元・・・・足首まで・・・(かなり大げさ)
今までに経験した事の無い傷みでしたが、とりあえず我慢我慢。

う~っう~っとうなり声が風に乗って先輩の耳に・・・・

「どないしてん?お前犬のマネしとんか?」 (マネな訳おまへんがな)

かなりボケた質問されて答えに苦しむ自分・・・・

他の先輩はといえば「ワンちゅーてみい!」
(あほか、出来るか。それより腹がいたいねんて、ツーゆーたろか)

顔は苦痛に曲がりながらもニコニコ

「せ・先輩腹が痛くて・・・し・死にそう・・です・・・わ」

「なんや腹痛か?大したことないわ!病院行ってこいや」

その天の声でその場は救われ病院へ。
しかし、誰か連れて行ってくれるのかと思っていたら・・・

「お前一人で行けるやろ、そこのな角曲がってな・・・・・・」

説明が長すぎる!!

一人苦痛に耐えながらヨタヨタと歩いていきましたがな~。
この時自分は映画俳優になったような、なれないような 中途半端な役者で右手で下腹押さえて、左手で電柱を支えにして (これほんまです。)
太陽にほえろの刑事役の人が撃たれて唸りながら 歩いて行くシーンみたいな・・・・。

痛みのせいか訳のわからん妄想にかられているうちに病院に到着 ガラガラ・・・ドアを開けるとその場で倒れて、ドクターと看護師さん たちが、「大丈夫ですか?」と走って来てくれる・・・・・・・。
予定でしたが、予定は未定それどころか 現実はこうでした。
ガチャッ!・・・・シーン・・・・。

「初診ですか?」

「はい」 (あたりまえやろ、初診やなかったら三振か?)

「どうなさいましたか?」

「お腹が・・・痛くて」

まぁ月並みのやりとりの後

「急性盲腸炎やな!」

「どーする?散らすか?切るか?」

この時私は間髪入れずに 「き・き・切ってください!」 思わず叫んでしまいました。
なぜか?それは休めるからですよ。
それからは緊急入院! 修学旅行に行く気分でルンルンでした。
まさに病院が天国に思えた瞬間でした!がっ・・・
ち・違う。麻酔がまともに効いていない・・・

「痛いか?」・・・・

「痛いっす」

「おかしいな効いてへんな~」

「とりあえず切るわ」 (とりあえずってね、あんた!)

気分はフラフラだったのですが、なんてむちゃくちゃな しかも研修医たちの見学の的。
(ああ~今度は改造人間か?)てな感じ。
ドクターとのやり取りで手術中笑ってしまってどえらい 怒られ、術が終わった後

「オペ中に笑う人は見たこと無いわ」と呆れ顔。
(見たことないゆーて、あんたいま見ましたやん)
遠くあさっての方角向いて心の中で言ってやった。
すると、今頃のになって麻酔が・・・・・。
目が覚めたら点滴の瓶がぶら下がった病室。
看護師さんの点滴ミスで左手はパンパンに腫れて マッスル左手!何がなんだか解らんうちに 月日は流れて、睡眠三昧。

ある時先輩たちのお見舞い嵐。

「おい、元気か?」 (元気やったらここにはおらんわ)

「おい見舞いもってきたで」

普段は厳しい先輩でもいいトコありました。
当時面白いマンガコミックを数冊買って来てくれました。
暫く話しをし帰路に着く先輩。
退屈で仕方なかった為、直ぐにマンガをゲット!
この後悲劇が待っていた。

笑いの刺激が少なかった環境にあったせいか 些細なマンガのストーリーで抱腹絶倒!

「いててててて」

「腹が痛て~」

ご想像の通り笑い過ぎてオペ後が痛み出したわけです。
(やられた!優しいと思った先輩・・・・違ってた)
それっきりマンガを読む事を止めて大人しく食っちゃ寝て の規則正しい生活に徹しました。

10日あまり経過し遂に退院の日を向かえましたが!ビックリ仰天
寝巻きが短くなっているではあ~りませんか。
寝巻きは長期にわたって寝ていると縮むんだと思ったら
違う。
身長が伸びてただけでした。しかも10㎝・・・。
寝る子は育つといいますが、本当の話だったのですね~

修行どころか今回は盲腸事件で終わってしまいました。
次回はちゃんと修行の笑い話をお伝えいたします。
おたのしみに。